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魔王@さんで
2009.06.25 01:36
"息をひそめ、最上級のエンターテインメントを堪能する幸福"
最新刊の帯より。
アオリに恥じない、まさに"最上級"のラストでした。
この物語をリアルタイムで追えた幸運にただ感謝です。
最終話「兄弟」
----------------------
まさか、最後の最後で「モダンタイムス」までガッツリ絡めてくるとは・・・!
もうね、タイトルの"Remix"が示す通り、これはほとんど音楽だと思う。千葉さん風に云うならミュージック。
めちゃくちゃハマってるMIXって、単体で聴いても良いけど、原曲を知ってたら『ここでこうつなぐ!?』って鳥肌が立つんです。それと同じ気分。つなぎ神。
例の"地震"についての謎は明かされないかも知れないと思っていたので、『最強なのは自然の力』という槿さんの台詞が、ちゃんと伏線として回収された事にまずビックリです。
しかも『業界で最高峰の殺し屋』がまさか"劇団"兄弟を差してたとは・・・。なんというダークホース。つか、判る訳がねぇ(笑)。
しかし、原作「グラスホッパー」からの槿さんの台詞だけで、よくもまあこんな大胆な大風呂敷広げたものだと思います。しかも広げただけじゃなく、熨斗まで添えてキッチリ畳んじゃいました。ホントもう、バカみたいに『すごい』としか云えない。
犬養との対決が、安易に暗殺とか失脚とかの方向でなくて良かった。
中村君の盲目的な反応に、落胆とも諦念とも取れる表情を浮かべた犬養は、潤也の云う通り「いい政治家」なんだと思います。だけど同時に、民衆にとって『都合のいい政治家』でもあり、犬養自身それを判っているふしがあります。
だからこそ、揺さぶりをかけてやる必要があったんでしょう。自分たちの未来を丸投げしようとしている民衆たちに「覚悟はあるのか?」と。『自然』という絶対的な力でもって。
きっと犬養にとっては、安藤みたいな人間が一番必要な人間だったんじゃないかなあと思う。犬養は安藤を歓迎したでしょうね。決して流されない1本の木と、絶対的なカリスマのコンビ。最強じゃないですか。
けど、そもそも安藤は『犬養に抗う』事でしかその生き方をまっとうできなかった訳ですから、彼が生きていたとしても犬養との共闘はありえないんでしょう。・・・でも、そんなパラレル未来もちょっと見てみたい。
-------
最終回を読み終えたら、居ても立ってもいられなくてコミックスを1巻から全部読み直してしまいました。気がついたら明け方です。平日ど真ん中だというのに。(おおお・・・)
で、思ったのは、軸が全くブレてないなあと云う事。
原作もこんな感じで、漫画はただなぞっただけというならそれも納得ですが、「魔王」はそうじゃない。エンターテインメントの寵児とも云われる伊坂氏の作品の中で、おそらく随一の非エンターテインメント作品。それをコミカライズ、しかも週刊少年誌で連載するなんて無謀もいいところ、ほとんど罰ゲーム。
ソースが見つからないのでもしかしたら不適切かもしれませんが、「魔王」漫画化にあたって原作者が出した注文は「『グラスホッパー』も盛り込むこと」だったと聞いたことがあります。おそらく原作者自身も「魔王」単体でのコミカライズは難しいと考えていたからじゃないでしょうか。
それがこんだけ大化けするとは・・・全く、誰も予想してなかったと思います。
漫画は二章になってから化けたような印象がありますが、それは主人公としての魅力が安藤より潤也の方が上だったとかそーいう訳ではなく、やはり一章でまいてきた種が一気に芽吹いた結果だと思います。張り巡らされた伏線もさる事ながら、キャラの成長著しい所が大きな魅力になったんじゃないでしょうか。
死んでからの存在感が半端無い一章主人公と、「主人公の弟→ヤンデレ→魔王」と見事な三段階進化を遂げた二章主人公。彼ら主人公のキャラがブレずにしっかりと立っていたからこそ、蝉や鯨、<令嬢>の面々といったアクの強いサブキャラが、遺憾なく大暴れできたんだと思います。
このリミックスの結果がどう評価されるかは判りません。
ただ、手許にある「絆の話」という伊坂氏の対談エッセイの中で、数あるコミカライズの中で唯一触れられているのが「魔王」でした。伊坂氏は漫画版魔王について『僕の原作だというのが申し訳ないくらい』と述べてます。これはほとんど絶賛と云ってもいいと思う。
この本が出たのはまだ一章の頃ですから、完結した後、氏の評価がどうなったか聞いてみたいと常々思っていました。
でも、その答えは、「伊坂×大須賀コンビによる『魔王』スピンオフ作品の発表」だと思っていいんですよね。伊坂作品でここまでの展開が実現したのは「魔王」が初めてな訳ですから。
※とりあえず、小学館は今すぐ両先生の対談を企画すべきだと思う。ダレン・シャンへのインタビューができて、それが出来ないなんて云わせないぜ!
さて、まだまだ書きたい事はありますが、キリがないので一旦〆。
また書きに来ると思います。当分、熱は当分冷めそうにないので。
伊坂先生、大須賀先生。お疲れ様でした。極上のリミックスをありがとうございました。
最新刊の帯より。
アオリに恥じない、まさに"最上級"のラストでした。
この物語をリアルタイムで追えた幸運にただ感謝です。
最終話「兄弟」
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まさか、最後の最後で「モダンタイムス」までガッツリ絡めてくるとは・・・!
もうね、タイトルの"Remix"が示す通り、これはほとんど音楽だと思う。千葉さん風に云うならミュージック。
めちゃくちゃハマってるMIXって、単体で聴いても良いけど、原曲を知ってたら『ここでこうつなぐ!?』って鳥肌が立つんです。それと同じ気分。つなぎ神。
例の"地震"についての謎は明かされないかも知れないと思っていたので、『最強なのは自然の力』という槿さんの台詞が、ちゃんと伏線として回収された事にまずビックリです。
しかも『業界で最高峰の殺し屋』がまさか"劇団"兄弟を差してたとは・・・。なんというダークホース。つか、判る訳がねぇ(笑)。
しかし、原作「グラスホッパー」からの槿さんの台詞だけで、よくもまあこんな大胆な大風呂敷広げたものだと思います。しかも広げただけじゃなく、熨斗まで添えてキッチリ畳んじゃいました。ホントもう、バカみたいに『すごい』としか云えない。
犬養との対決が、安易に暗殺とか失脚とかの方向でなくて良かった。
中村君の盲目的な反応に、落胆とも諦念とも取れる表情を浮かべた犬養は、潤也の云う通り「いい政治家」なんだと思います。だけど同時に、民衆にとって『都合のいい政治家』でもあり、犬養自身それを判っているふしがあります。
だからこそ、揺さぶりをかけてやる必要があったんでしょう。自分たちの未来を丸投げしようとしている民衆たちに「覚悟はあるのか?」と。『自然』という絶対的な力でもって。
きっと犬養にとっては、安藤みたいな人間が一番必要な人間だったんじゃないかなあと思う。犬養は安藤を歓迎したでしょうね。決して流されない1本の木と、絶対的なカリスマのコンビ。最強じゃないですか。
けど、そもそも安藤は『犬養に抗う』事でしかその生き方をまっとうできなかった訳ですから、彼が生きていたとしても犬養との共闘はありえないんでしょう。・・・でも、そんなパラレル未来もちょっと見てみたい。
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最終回を読み終えたら、居ても立ってもいられなくてコミックスを1巻から全部読み直してしまいました。気がついたら明け方です。平日ど真ん中だというのに。(おおお・・・)
で、思ったのは、軸が全くブレてないなあと云う事。
原作もこんな感じで、漫画はただなぞっただけというならそれも納得ですが、「魔王」はそうじゃない。エンターテインメントの寵児とも云われる伊坂氏の作品の中で、おそらく随一の非エンターテインメント作品。それをコミカライズ、しかも週刊少年誌で連載するなんて無謀もいいところ、ほとんど罰ゲーム。
ソースが見つからないのでもしかしたら不適切かもしれませんが、「魔王」漫画化にあたって原作者が出した注文は「『グラスホッパー』も盛り込むこと」だったと聞いたことがあります。おそらく原作者自身も「魔王」単体でのコミカライズは難しいと考えていたからじゃないでしょうか。
それがこんだけ大化けするとは・・・全く、誰も予想してなかったと思います。
漫画は二章になってから化けたような印象がありますが、それは主人公としての魅力が安藤より潤也の方が上だったとかそーいう訳ではなく、やはり一章でまいてきた種が一気に芽吹いた結果だと思います。張り巡らされた伏線もさる事ながら、キャラの成長著しい所が大きな魅力になったんじゃないでしょうか。
死んでからの存在感が半端無い一章主人公と、「主人公の弟→ヤンデレ→魔王」と見事な三段階進化を遂げた二章主人公。彼ら主人公のキャラがブレずにしっかりと立っていたからこそ、蝉や鯨、<令嬢>の面々といったアクの強いサブキャラが、遺憾なく大暴れできたんだと思います。
このリミックスの結果がどう評価されるかは判りません。
ただ、手許にある「絆の話」という伊坂氏の対談エッセイの中で、数あるコミカライズの中で唯一触れられているのが「魔王」でした。伊坂氏は漫画版魔王について『僕の原作だというのが申し訳ないくらい』と述べてます。これはほとんど絶賛と云ってもいいと思う。
この本が出たのはまだ一章の頃ですから、完結した後、氏の評価がどうなったか聞いてみたいと常々思っていました。
でも、その答えは、「伊坂×大須賀コンビによる『魔王』スピンオフ作品の発表」だと思っていいんですよね。伊坂作品でここまでの展開が実現したのは「魔王」が初めてな訳ですから。
※とりあえず、小学館は今すぐ両先生の対談を企画すべきだと思う。ダレン・シャンへのインタビューができて、それが出来ないなんて云わせないぜ!
さて、まだまだ書きたい事はありますが、キリがないので一旦〆。
また書きに来ると思います。当分、熱は当分冷めそうにないので。
伊坂先生、大須賀先生。お疲れ様でした。極上のリミックスをありがとうございました。
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